荒廃農地や遊林地の活用

耕地・荒廃農地について

耕地面積は、主に宅地等への転用や荒廃農地の発生等により、耕地面積が最大であった昭和36年に比べて、約174万ha減少しています。荒廃農地の面積は、令和2年には28.2万haであり、そのうち再生利用可能なものが9万ha(32%)、再生利用困難なものが19万2千ha(68%)。農業地域類型別では、中山間地域が17万8千ha(63%)を占めています。

荒廃農地とは

現在、耕作に供されておらず、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観的に 不可能となっている農地のことをいいます。

再生利用が可能な荒廃農地荒廃農地のうち、抜根、整地、区画整理、客土等により再生することにより、通常の農作業による耕作が可能となると見込まれるもの
再生利用が困難と見込まれる荒廃農地荒廃農地のうち、森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難なもの、又は周囲の状況からみて、その土地を農地として復元しても継続して利用することができないと見込まれるものに相当するもの

遊休農地とは

1号遊休農地現在、耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地(再生利用が可能な荒廃農地)
2号遊休農地その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる農地

荒廃農地の問題

農林水産省は、「もう利用されていないが、過去に作物が育てられていた土地」であり、「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付け(栽培)せず、この数年の間に再び作付けする意思のない土地」を耕作放棄地と定義しています。農地の状況把握を行い、農地の集積・集約化の促進、基盤整備等により、荒廃農地の発生防止・解消に向けた対策を進めています。

耕作放棄地を放置し続けることによるデメリット

固定資産税が通常の農地より高い

支払う税額は以下の内、どちらか少ない金額となります。

  1. 1:評価額(売買価格×0.55)×税率1.4%
  2. 2:前年度の課税標準額(前年度の売買価格×0.55)×負担調整率×税率1.4%

農地の価値が下がり再利用が困難になる

管理を放置することによって病害虫や雑草、外来動植物の繁殖が進み、再利用するための手入れ費用が膨らんでいきます。

周囲の環境に悪影響を及ぼす

放置された土地が増えることで、ゴミの不法投棄や災害時のリスク増加など日本の社会全体へ大きな影響を及ぼす恐れがあります。

Projects農林水産省による支援事業の活用「最適土地利用対策」

最適土地利用対策とは

地域のニーズに沿うきめ細かな簡易な基盤整備、放牧や蜜源作物などの作付けによる低コストな農業生産のモデル的な取り組みを支援します。

目的

  • 地域の重要な資源である農地等を有効活用するため
  • 地域ぐるみの話合いを通じ、地域の特性を活かした農業の展開や地域資源の付加価値向上を推進するため
  • 荒廃農地やそのおそれのある農地の有効活用や低コストによる維持に、意欲的に取り組む地域の活動を後押しするため

農地等活用推進事業

再生可能な荒廃農地を含む地区を対象に、地域の特性を生かした農業の展開や地域資源の付加価値向上に取り組む地区を支援します。

【事業実施要件】

  • 専門家を交えた話し合いや、地域の特性を活かした最適土地利用計画及び整備計画等の策定
  • 水田の畑地化や高収益作物の導入等に係る農地の簡易な整備
  • 農業用ハウスや簡易トイレ等の農業参入しやすい環境の整備

最適土地利用計画の策定に当たっては、専門家を交え、地区の現状や課題を掘り起こし、必要に応じて先進地を視察して今後の地域の方向性を示す計画や地図により見える化します。

低コスト土地利用支援事業
(粗放的農地利用事業)

再生可能な荒廃農地及び荒廃のおそれのある農地を含む地区を対象に、低コストで維持するため、放牧、蜜源作物、緑肥作物、省力作物等による粗放的利用に取り組むモデル地区を支援します。

【事業実施要件】

  • 専門家を交えた話し合いや、粗放的利用にかかる最適土地利用計画等の策定
  • 粗放的利用を行うための農地刈払いや電気牧柵等の条件整備
  • 蜜源作物等の種苗費や省力化機器の導入等、粗放的利用の実証
  • 保全すべき農地周辺部における鳥獣緩衝帯機能を有する計画的な植林及びそれにかかる費用(苗代、生産性検証に必要な管理経費、省力化機械の購入費)

農山漁村振興交付金を活用した支援

重要な地域資源である農地について、土地利用の最適化を推進している「最適土地利用対策」は、農山漁村復興交付金の支援を受けることができます。

→農山漁村振興交付金の詳細(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/shinko_kouhukin.html

農地転用制度を利用しよう

農業復興地域制度の農振法でゾーニングされている、「農振白地地域(第2種農地)」及び「農業復興地域外(第3種農地)」の一部が届出することを許可されます。土地の活用をご検討中の方や耕作放棄地などを保有している方は、農地転用をご検討してはいかがでしょうか。

→農地転用制度の詳細
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/nouchi_tenyo.html

【農地転用許可制度の概要】
農地法(昭和27年制定)
優良農地を確保するため、農地の優良性や周辺の土地利用状況等により農地を区分しています。転用を農業上の利用に支障が少ない農地に誘導するとともに、具体的な転用目的を有しない投機目的、資産保有目的での農地の取得は認めないこととしている。

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